黄金町アートブックバザール は、現在準備中です。

2022/08/07 15:14

こんにちは
黄金町アートブックバザールのスタッフ、安部です!

黄金町アートブックバザールは古書店としてスタートし、黄金町で活動するアーティストの作品やグッズ、
最近では新刊の書籍もお取り扱いしています。

今回ご紹介したいのは「文学ムック ことばと」です!
2020年の春に福岡の出版社、書肆侃侃房から創刊した文芸誌で、編集長を思考家で作家の佐々木敦さんがつとめています。

わたしのおすすめポイントは、毎号、ことばと、その他の何かについて、多ジャンルの文章が読めるというところ。
Vol.2は「ことばと演劇」
Vol.3は「ことばと音楽」
Vol.4は「ことばとからだ」
Vol.5は「ことばとわたし」

執筆する作家もさまざまで、小説家、批評家、哲学者、画家、漫画家、女優、俳人、詩人、翻訳家として活躍する作家たちが、普段とは違うジャンルの作品を発表しているのも特徴的です。

例えば創刊号では、詩人のマーサ・ナカムラさんが初の短編小説を発表していたり、創作として発表された、哲学者で作家の千葉雅也さんの「マジックミラー」は掲載後、第45回川端康成文学賞を受賞しました。
Vol.5は「ことばとわたし」では女優で分筆家の戸田真琴さんが短編小説を発表しています。

編集長の佐々木敦さんは、幅広い分野に関心を持ち、音楽、映画、演劇、文芸、さまざまな論評を執筆するほか、2021年には初の小説作品「半睡」を発表しました。

ここからは、私自身の個人的なことを書きます。
ここ、「黄金町アートブックバザール」は「NPO法人黄金町エリアマネジメントセンター」(通称エリマネ)が運営するショップです。
エリマネの主軸となる事業として「黄金町アーティストインレジデンス」(通称 黄金町AIR)の活動があります。
(エリマネの詳しい活動はこちら https://koganecho.net/)
私は 黄金町AIR参加アーティストとして、2019年から活動に参加しています。
(アーティスト名は「かずさ」です。https://abkzsokm.wixsite.com/abekazusa)
私の制作する作品は、インスタレーション、パフォーマンス、テキスト。
そして昨年より、もっと言語表現を勉強したいという一心で、佐々木敦さん主催の「言語表現コース ことばの学校」第一期生となりました。

ここからは普段通り、佐々木先生と表記します。
佐々木先生は関心のある対象が幅広く、その境界にあるもの、ジャンルというもので分け隔てられることに懐疑心を持っているように思います。例えば、純文学、エンタメ、ミステリ、SFなどのジャンルで括ることに意味はあるのか?全ての書かれた文章は「ことば」である、という考え方は、その根底に、分け隔てることなく、多くの事象を当たり前に認め合う、そして答えがあるものよりも、本当にそれはそうであるのか、という疑う視線、問いを見出すことを大切にしているように、講義を通して感じていました。
私は1年間の講義を通して、何を書くのか、何のジャンルを書くのか、ということよりも、一人一人から出てくる「ことば」から自然に形成される文体が大切であり、それがどういうジャンルであるか、どういう体裁をとっているかは、本当の意味ではどうでもいいと思うようになりました。

「ことばと」は、そんな佐々木敦さんが選抜した、面白いことば、文体を書く人たちが、新しいことにチャレンジし続けている、
そんな文芸誌だと思います。

何号からでも、ぜひ、お手に取ってみてください!

記事作成:安部寿紗